2025年住宅統計が示す“空き家爆発”|売れない家の処分と整理の役割とは

2025年、日本の住宅市場はかつてない転換点を迎えています。
国土交通省や総務省統計局の住宅・土地統計調査の発表によると、全国の空き家数はついに1000万戸を超えると予測され、「空き家爆発」と呼ばれる事態が現実のものとなりました。
高齢化社会の進展と人口減少が同時に進む中で、使われない家が増え続け、地域社会や経済全体に深刻な影響を与えています。
本記事では、この空き家問題の実態と「売れない家」を抱える家族にとっての課題、そして遺品整理業者が担う新たな役割について考えていきます。

空き家爆発の背景にあるもの

空き家が急増している要因の一つは、日本全体の人口構造の変化です。
2025年には団塊の世代がすべて75歳以上の後期高齢者となり、介護や相続のタイミングで住まいが空き家化するケースが急増しています。
また、少子化の影響で「家を引き継ぐ人」が減少し、地方や郊外を中心に“住む人のいない住宅”が増える構造的な問題もあります。

さらに、都市部でさえ「築年数が古く資産価値の低い住宅」は買い手がつかず、処分に困る事例が増えています。
特に、耐震基準を満たさない昭和期の建物や、駅から遠い立地の家は「売れない家」となり、所有者にとって負担になっているのが現状です。

“売れない家”がもたらす社会的リスク

空き家は単に使われていない建物ではありません。適切に管理されない空き家は、以下のような社会的リスクをもたらします。

防災リスク
 倒壊や屋根材の落下などが近隣住民の安全を脅かす。

防犯リスク
 不法侵入や放火の温床となりやすく、地域治安を悪化させる。

景観・衛生問題
 庭木や雑草が繁茂し、害虫や小動物が発生することで近隣の生活環境を悪化させる。

経済的損失
 売却できない住宅が固定資産税の負担だけを生み、所有者家族に経済的圧力をかける。

こうした問題は地方の過疎地域だけでなく、都市近郊の住宅地でも目立ち始めています。つまり“売れない家”は、今後全国的に誰もが直面し得る課題なのです。

空き家処分に立ちはだかる“相続の壁”

空き家が放置される背景には、「相続」の複雑さがあります。
親が亡くなった後、子どもが複数人いる場合には所有権の分割が難航し、手続きが進まないまま空き家が放置されるケースが少なくありません。また、固定資産税の軽減措置があるため「更地にせず持ち続ける」選択をした結果、老朽化が進むという悪循環もあります。

このように法律・税制・家族関係が絡み合い、簡単には処分できないのが空き家問題の本質です。

遺品整理業者が果たす新たな役割

ここで注目すべきが、遺品整理業者の存在です。これまで遺品整理は「亡くなった方の家財を整理するサービス」と認識されてきましたが、2025年以降は空き家処分や不動産整理と深く結びつくようになっています。

1. 家財整理と不動産価値の回復

空き家を売却・賃貸する前提として、まず必要なのは室内の家財整理です。
大量の家具や不要品が残されたままでは不動産会社も仲介に乗り出せず、買い手もつきません。遺品整理業者が介入することで、残置物が撤去され、ようやく売却や活用のスタートラインに立てます。

2. リユース・リサイクルによる循環型処分

近年の遺品整理業者は、ただ廃棄するだけでなく、買取やリユースを積極的に取り入れています。
再販できる家財をリユース市場に回すことで処分コストを抑えつつ、持続可能な社会にも貢献できるのです。

3. 相続・不動産との連携

弁護士や司法書士、不動産会社と提携する遺品整理業者も増えています。所有権の調整や売却の仲介、解体業者との連携まで一気通貫でサポートできる体制を整えることが、これからの遺品整理業界に求められています。

NRA(全国遺品整理業協会)の視点

全国遺品整理業協会(NRA)は、この“空き家爆発”時代において、業界全体の質の向上と社会的役割の確立を重要課題と捉えています。
不適切な業者による高額請求や不法投棄は、空き家問題をさらに悪化させかねません。
だからこそ、協会は「安心して任せられる遺品整理業者」の認定や情報提供を進め、依頼者が正しい選択をできる仕組みを整えています。

また、NRAとしては会員業者が地域の不動産会社・行政・司法書士などと連携し、空き家処分の支援を強化しています。これにより「空き家の処分に困っている」という相談者に、適切な解決策を提示できる体制づくりを進めています。

まとめ|“空き家爆発”は社会全体の課題

2025年に顕在化した「空き家爆発」は、もはや一部の人だけの問題ではありません。
誰もが親の家や実家の処分に直面する時代が訪れています。
その際に重要なのは「早めの準備」と「専門家への相談」です。空き家を放置すれば資産価値は下がり、処分費用も膨れ上がります。
逆に、遺品整理業者をはじめとした専門サービスを活用すれば、売却や利活用の可能性が広がります。

全国遺品整理業協会(NRA)は、安心・安全な遺品整理を通じて空き家問題の解決に貢献していくことを使命としています。
売れない家を抱えて悩む方は、一人で抱え込まず、まずは信頼できる専門業者に相談することが第一歩となるでしょう。

一般社団法人全国遺品整理業協会では遺品整理の古物商の知識を軸にノウハウ提供を行っています。
買取ノウハウ提供を通じ、信頼される遺品整理業界を創造することを目的とし、循環型環境社会の実現に貢献します。

会員の皆様にはNRAクラウドシステムをご提供し、システム内でコンテンツ研修をいつでも受けられる体制を整えております。
また、このシステムでは遺品整理の案件受付から作業報告までをすべて管理できる顧客管理システムとしてもご利用可能です。

多くの遺品整理業者様に安心して経営していただくことが、ご遺族への貢献につながると考えています。

是非、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
   

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