遺品整理は処分屋稼業ではない!
「遺品整理という言葉の通り、家の中のものをスッキリ整理して作業料を頂く」
遺品整理業とは果たしてこれでいいのでしょうか?
タイトルにもある「買取の知識が必要なワケ」について触れていきたいと思います。
1. 遺品整理業の実態
2011年以降、人口減少が始まり、超高齢化社会といわれる日本。
遺品整理業の需要が高まり、様々な業種の方が新規参入し続けているHOTな業界です。
遺品整理事業者数は年々増加しており、市場規模も5000億円以上といわれています。
需要に対してまだまだ供給が追い付いていない遺品整理業界ですが、残念なことに、様々なトラブル事例を抱える業界でもあります。
最近では、一括見積サイトで「優良事業者」と謳われているにもかかわらず、作業後には金品を盗まれた・・・なんていうトラブルも多発しております。
需要過多が悪く働き、不正を働く事業者が増えているのが実態です。
このコラムを読んでいる方の中には、既存・新規の事業者様や、施主様もいらっしゃるかもしれません。
事業者・施主様の両側面から見た、遺品整理業のあるべき姿について書いていきたいと思います。
2. 遺品整理業のあるべき姿
お客様目線では、「できるだけ安い方がいい!」となるのかもしれません。
ですが、年々人件費や処分料などが上がっており、あまりにも安い事業展開は要注意です。
その分、作業が煩雑になり、不法投棄などの問題が発生した場合、せっかく依頼したお客様にまで被害が及ぶケースもあります。
それでは費用が高ければいいでしょうか?
それも違います。
実際に、「ワンルームのマンションで100万円近い費用を請求された」というような事例もあり、これもまた問題です。
大切なのは適正価格で作業を行い、買取できる遺品についてはお客様へしっかり還元する事業者であることです。
こういう事業者は要注意です。
- ホームページに記載されている料金と、見積時に伝えられる金額があまりにかけ離れている
- 作業完了後に理不尽な追加請求が発生する
遺品整理事業者の方はこういったポイントを注意することで、顧客満足度の高いサービス提供ができるようになります。
そうはいっても、安くしないと相見積もりに勝てないし、ある程度ごみの処分は安く済むようにしたい!
・・・と考えていては、近い将来淘汰されるでしょう。
遺品整理業者 ≠ 処分業者
この意識がこれから先とても大切になります。
ある程度処分費は掛かりますので、何故このような見積金額になるかをしっかりと説明できる遺品整理業者である必要があります。
そして、相見積もりに勝つ方法は作業費を安くするだけではありません。
3. 遺品整理は資格不要!?
特に遺品整理業をこれから開業しようと考えている方からよくご質問頂くのが、「資格は必要か?」です。
結論。遺品整理業に資格は不要です
現在ある資格はどれも一般社団法人を含む民間企業が運営する民間資格です。
パッと見て見栄えはいいですが、この資格には何の効力もありません。
逆に国などの許認可が必要です。
- 古物商許可
- 産業廃棄物処分業許可 など
さらに、産業廃棄物処理業許可を持っていても、お客様宅から直接産廃場に処分品を持ち込むのは違法です。
実はこういったことを知らずに遺品整理業を営む事業者が多く、お客様宅からどのように産廃場に運ぶ必要があるかを理解していないケースが多いです。
現在ある民間資格のほとんどが地方自治体ごとのルールに併せたノウハウ提供がなされておらず、一部の業界大手企業では、むしろトラブルの元凶と考えているという話を聞くことがあります。
遺品整理業を正しく営むには、資格ではなく、実務に近い専門知識が必要です。これは専門業者からノウハウ提供を受けることが一番の近道です。
4. 遺品整理に本当に必要な知識とは?
遺品整理に必要な知識は多岐にわたりますが、その中でも古物の査定や買取に関する知識は非常に重要なものです。
まず、遺品整理においては、故人が所有していた家財道具や衣類などの品物を整理・処分することが必要です。
その際、遺品の中には高額な価値がある古物が含まれていることがあります。
これらの品物は、専門知識を持つことで、高額買取が可能になります。裏を返せば、専門知識がないとゴミとして処分されることになります。
ここで重要なのは、古物の査定や買い取りに関する知識を持つことが、正確な査定や公正な取引を行う上で欠かせないことであるということです。
古物の査定には、その品物の年代や産地、材質、保存状態などを正確に判断する技術や知識が必要です。
また、買い取りに関しては、市場価値や需要と供給のバランス、品物の状態や希少性などを考慮した適正な価格設定が求められます。
さらに、古物を取り扱う上で、法令や倫理的な観点にも配慮する必要があります。
たとえば、特定の文化財や国宝、または海外からの輸入品などは、適切な手続きを経ずに買い取ることができない場合があります。
また、偽物や贋作にも注意が必要であり、販売する際には明確な情報提供が求められます。
以上のように、遺品整理において古物を査定し、買い取る知識は非常に重要であると言えます。
古物を取り扱う知識があると、企業の売上改善はもちろんのこと、顧客満足度向上にも一役買うわけです。
5. 買取力強化による売上アップ
古物の査定能力が上がると売上も飛躍的に上がるというのは、非常に重要なポイントです。
まず、古物の査定能力が上がることで、正確な査定が行えるようになります。
正確な査定ができると、品物の価値を適切に評価することができます。
また、査定額が高くなると、買い取りに対する依頼者様の信頼度も上がります。
このように、正確な査定能力があると、信頼性の高い査定が行えるようになり、それによって売上にもつながります。
次に、古物の査定能力が上がると、遺品整理業者との交渉力が向上します。
交渉力が高まると、相見積もり競争に強くなり、受注力が向上します。
これによって、収益を大幅に向上させることができます。
最後に、古物の査定能力が上がることで、顧客からの評価が向上します。
顧客からの評価が高いと、口コミでの宣伝が広がり、さらに多くの顧客を獲得することができます。
そして、その結果、売上が大幅に向上することが期待できます。
以上のように、古物の査定能力が上がると、正確な査定が行えるようになり、交渉力や関係性構築がしやすくなり、顧客からの評価が向上することで、売上が飛躍的に上がることが期待できます。
古物買い取り業者として、古物の査定能力向上に取り組むことは、非常に重要であると言えます。
6. 買取力強化による環境問題への貢献
古物の買取力強化が環境問題への貢献につながるということは、あまり知られていないかもしれません。
しかし、実際には、古物の買取力強化が、環境問題に貢献することができると言われています。
まず、古物の買取力強化によって、新たに製品を生産する必要が減少するため、資源の節約につながります。
製品を作るためには、多くの資源が必要です。
たとえば、金属製品を作るためには、金属の原料が必要になります。
しかし、古物の買取力が強化されることで、再利用可能な金属製品が再利用されるため、新たに金属を採掘する必要が減ります。
このように、古物の買取力強化は、自然環境に負荷をかける資源の使用量を減らすことにつながります。
また、古物の買取力強化は、廃棄物の減量にもつながります。
古物が再利用されることで、ゴミとして処分される量が減少します。
これによって、廃棄物処理施設の負荷も減り、環境への負荷を軽減することができます。
また、古物を再利用することで、製品を作るために必要なエネルギーも削減することができます。
エネルギーの削減によって、CO2排出量の減少につながり、気候変動防止にも貢献することができます。
さらに、古物の買取力強化は、循環型社会の実現にもつながります。
古物を再利用することで、製品の寿命を延ばすことができます。
また、再利用可能な部品を取り出して再利用することもできます。
これによって、循環型社会を実現することができ、資源の有効活用が促進されます。
7. 最後に
遺品整理において、古物の買取ノウハウが必要な理由をご紹介しました。
遺品整理においては、古物の価値を正確に査定し、それに基づいた買取価格を提示することが求められます。
しかし、素人が古物の価値を正確に判断することは容易ではありません。
そのため、古物の買取ノウハウを持ったプロのアドバイスやサポートが必要になります。
古物の価値を正確に判断することができる人材を育成することで、買取金額の最適化や遺品整理作業のスムーズな進行を実現することができます。
古物の査定には、豊富な知識や経験が必要であり、プロの力を借りることで、買取額を最大化することができます。
一般社団法人遺品整理業協会では、会員向けに、各品物ごとにその道のプロによる研修プログラムがあります。
専門性のある査定ノウハウはもちろんですが、まずはどのようなものが売れるのかを把握することが最初の一歩です。
これにより、多くの価値あるものが、捨てられずに流通するようになり、結果的にお客様にとっても質の高い遺品整理サービスの提供が可能になります。
これからの超高齢化社会に向けて、遺品整理業は需要過多になります。
このブログを最後まで読んでいただいたあなたにとって、質のいい遺品整理業を営むためのお役に立てればと願っています。
コメント