単価アップを実現する遺品整理サービス設計|高付加価値化の成功事例とは?

高齢化社会の進行により、遺品整理サービスの需要は年々高まっています。
しかし、競合他社の参入も増え、価格競争に巻き込まれる業者も少なくありません。
そんな中で注目されるのが、「サービスの高付加価値化による単価アップ」の戦略です。

今回は、遺品整理業者が単価を上げながらも顧客満足度を向上させるために実践している高付加価値化の成功事例と、その具体的な設計方法をご紹介します。

1. 高付加価値化のカギは「体験価値の向上」

単なる「不用品の片付け」ではなく、「遺族の心に寄り添う体験」を提供することが、単価アップの第一歩です。たとえば以下のような工夫が有効です。

専任スタッフの事前ヒアリング(無料)

写真や手紙の仕分けサービス

供養対応(僧侶手配・合同供養)

遺品のリユース提案(寄付・オークション代行)

作業完了後の清掃・リフォーム提案

これらはすべて、「故人を大切に扱ってくれた」「自分たちの心情に配慮してくれた」と感じてもらうポイントになり、価格以上の価値を提供することに繋がります。

2. 高付加価値化の成功事例①:「お別れ会パッケージ」導入で単価1.5倍に

ある地方業者では、遺品整理作業と一緒に「ミニお別れ会」を提案するプランを導入。遺品の中から故人の写真や思い出の品を並べ、ご家族が立ち会ってお別れの時間を持てるようにしたところ、通常15万円の整理作業が、平均22〜25万円に上昇しました。

このサービスは、遺族にとって「心の区切り」が付けられる重要なプロセスであり、価格ではなく“体験”を重視する顧客層の支持を獲得しました。

3. 高付加価値化の成功事例②:不動産会社と連携した「空き家整理+売却サポート」

別の業者では、遺品整理だけでなく、その後の空き家売却までをワンストップでサポートする体制を構築。地元の不動産会社や行政書士と連携し、遺品整理後すぐに空き家の活用・売却・相続手続きに移れるようにしました。

結果的に、「片付けだけのサービス」よりも約2倍の単価で契約が成立し、同時に紹介手数料も得られるなど、収益構造の多様化にも成功しています。

4. 単価アップを支える“見せ方”と“伝え方”

高付加価値のサービスを用意しても、「それがなぜ高いのか」が伝わらなければ顧客は離れてしまいます。以下のような情報発信もセットで行いましょう。

ホームページやパンフレットに体験者の声を掲載

作業中の写真や供養の様子をブログやSNSで紹介

「単なる片付け」ではないというストーリー設計

料金表に“なぜこの金額なのか”の理由を明示

感情に訴えるストーリーと透明な情報公開が、顧客の信頼と納得感を生み出します。

5. 全国遺品整理業協会(NRA)による支援の活用

全国遺品整理業協会(NRA)では、高付加価値型サービスへの転換支援として、以下のようなサポートを行っています。

スタッフ向けのグリーフケア研修

顧客満足度調査によるフィードバック支援

提携先(士業・不動産・供養業者)の紹介

高付加価値サービス導入モデルの共有

単価アップを狙うだけでなく、顧客の信頼を得る“安心の体制づくり”も大切です。ぜひ協会のサポートも活用しながら、自社ならではの価値を磨いていきましょう。

まとめ

「高いから選ばれない」のではなく、「価値が伝わっていないから選ばれない」というのが、遺品整理業界の現状です。単価アップは、顧客への深い共感と体験価値の提供によって実現できるものです。

顧客の「ありがとう」の声を得ながら、持続可能なビジネスとして収益性を高めていく──そのために、今こそサービス設計を見直すタイミングです。

一般社団法人全国遺品整理業協会では遺品整理の古物商の知識を軸にノウハウ提供を行っています。
買取ノウハウ提供を通じ、信頼される遺品整理業界を創造することを目的とし、循環型環境社会の実現に貢献します。

会員の皆様にはNRAクラウドシステムをご提供し、システム内でコンテンツ研修をいつでも受けられる体制を整えております。
また、このシステムでは遺品整理の案件受付から作業報告までをすべて管理できる顧客管理システムとしてもご利用可能です。

多くの遺品整理業者様に安心して経営していただくことが、ご遺族への貢献につながると考えています。

是非、ご興味のある方はお気軽にご相談ください。
   

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