単価アップのためのサービス設計とは?
遺品整理市場の拡大とともに、参入業者が急増しています。
その結果、価格競争が激化し、「他社より安く」と要求される場面も増えたのではないでしょうか。
しかし、過度な値下げは利益を圧迫し、スタッフの疲弊やサービス品質の低下につながりかねません。
では、どうすれば価格競争に巻き込まれず、適正価格で受注できるのか?
その答えは、「価格以外の価値を伝えられるサービス設計」にあります。
本記事では、単価アップを実現するための考え方と具体策をお伝えします。
■ なぜ価格競争が起きるのか?
遺品整理の依頼者にとって、「モノを片付けてもらう」という印象が強いため、どうしても**「比較対象は金額」**になりがちです。
特にポータルサイト経由の集客では、
一括見積で複数業者を比較される
「とにかく安く済ませたい」というニーズが先行
現場の細かいサービス価値が伝わらない
といった状況に陥りやすくなります。
この構造から脱却するには、価格以外の“選ばれる理由”を作ることが不可欠です。
■ 単価アップのカギは「感情価値」と「提案力」
遺品整理は、単なる「片付け」ではありません。
依頼者にとっては「大切な人とのお別れの時間」であり、「思い出を整理するプロセス」でもあります。
この“感情的な価値”を理解し、寄り添う提案ができる業者は、単価が高くても選ばれる傾向があります。
たとえば
「手紙や写真はどうされますか?」と丁寧に確認
「ご供養の対応も可能です」とオプション提案
「買取できるものは費用を相殺できます」と説明
こうした対応が、「安い業者」との差別化要素となります。
■ 単価を上げるサービス設計の3つのポイント
① “基本パック+選べるオプション”で構成する
すべてを一律価格で提示すると、「高い」と感じられやすいですが、
ベース料金を抑えて必要なものだけ追加できる設計にすることで、心理的ハードルが下がります。
例:基本パック(仕分け・搬出・清掃)+
お焚き上げ・供養サービス
家具・家電の買取査定
相続相談・不動産売却サポート
清掃・リフォーム・特殊清掃など
「選べる安心感」と「価格に納得感」を提供しましょう。
② “ビフォーアフター”で価値を見える化する
サービス前後の写真を許可を得て記録し、パンフレットやサイトに掲載します。
「ここまできれいに」「思い出の品を丁寧に扱ってくれた」という具体的な成果を見せることで、
「単に安いだけの業者」との差がはっきり伝わります。
あわせてお客様の声・レビューを集めておくと効果倍増です。
③ “信頼・安心”のブランドづくり
単価アップには「この会社なら安心」というブランド構築が重要です。
以下のような実績や要素を積極的に伝えましょう:
遺品整理士・事件現場特殊清掃士などの資格保有
地元自治体や士業との連携実績
損害保険加入の明記
明朗な料金体系・見積書の内訳
“安心感”こそが、価格よりも優先される最大の価値です。
■ 遺族だけでなく「周囲」にも目を向ける
遺品整理の依頼主は、遺族だけとは限りません。
成年後見人の弁護士・司法書士
不動産会社・管理会社
地方自治体の包括支援センター
こうした法人・士業・行政機関からの紹介案件は、
価格よりも「対応力・信頼性・報告の丁寧さ」が重視される傾向があります。
紹介先との関係構築や営業資料の整備も、単価アップと安定受注の大きな鍵となります。
■ まとめ|「価格」ではなく「体験価値」で選ばれる業者へ
価格競争から抜け出すには、サービスの中に“選ばれる理由”をしっかり作り込む必要があります。
そのためには、
心に寄り添ったヒアリングと提案
見える成果(ビフォーアフター・レビュー)
安心と信頼を伝えるブランド力
士業・行政とのネットワーク活用
これらの要素を丁寧に設計し、伝えることが重要です。
「少し高いけど、ここに頼んでよかった」
そう思ってもらえる価値を提供できれば、価格競争は無縁の世界になります。
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